ここ数週間研究室にある宮沢賢治の資料の中から「注文の多い料理店」についての文献を探していますが、今のところあまり発見できていません。文芸研究の対象としての認知度はあまり高くないのではないかと私は思ったのですが、そのことについて何かコメントをお願いします。
あと、極私的なことで申し訳ないのですが、PSPソフト「煉獄」をプレイなさっている方、是非対戦したく思います。そちらもコメントお願いします。
あと、極私的なことで申し訳ないのですが、PSPソフト「煉獄」をプレイなさっている方、是非対戦したく思います。そちらもコメントお願いします。
今日はリンクの編集とトラックバックを行いました。ずっとパソコンと向き合っていたので、眼は痛くなるし左腕の神経痛は再発しかけるしで、大変でした。日に日に老いを感じるのは何故でしょうか?
数日間降り続いた雨がぴたりと止み、空には東京では見られないほどの星がちりばめられていた。明日は絶好の狩り日和だろう。
運が良いですね、と笑う宿屋の主人が階下に消え、客である若い紳士は部屋の扉を閉めた。明日の狩りに気を高ぶらせながら、彼はイスに座り、テーブルに置かれたワインボトルに手を伸ばす。
と、そこで窓際に座って銃の砲身を磨いていた連れの男が口を開く。
「おい、明日は早いんだから深酒は慎み給えよ」
「そうは言っても、こう興奮してちゃ眠れやしない。なに、軽く 二、三杯やるだけさ」
そういってなみなみと注がれたワインを一気に飲み干す。満足そうに息を吐いたかと思えば、間を空けず二杯目をグラスに注ぐ。
それを見ていた男は、整備の終わった銃をガンケースにしまい、自分のグラスにワインを注ぎだした。
「お、君もやるかい」
「当たり前だ。僕も金を払っているんだからな」
既に三杯目となったグラスの男が、にやけた顔でグラスを目の前に掲げた。それに応え、もう一人も同じようにする。
ちん、というガラスが触れる音が静かな室内に響いた。
*
しばらくして、一人がううと呻きながら上体を起こす。どうやら酔いつぶれて寝てしまったようだ。彼は目の前でグラスを持ったまま眠る男を一瞥すると、換気をするために窓に近寄る。外を見ると、黒い木々が星空と山とを隔てるのが見え、視線を下に向けると白熊犬が体を丸めて眠っていた。
ぼんやりとそれを眺めつつ、彼は窓を開けた。
風は、吹いていなかった。
運が良いですね、と笑う宿屋の主人が階下に消え、客である若い紳士は部屋の扉を閉めた。明日の狩りに気を高ぶらせながら、彼はイスに座り、テーブルに置かれたワインボトルに手を伸ばす。
と、そこで窓際に座って銃の砲身を磨いていた連れの男が口を開く。
「おい、明日は早いんだから深酒は慎み給えよ」
「そうは言っても、こう興奮してちゃ眠れやしない。なに、軽く 二、三杯やるだけさ」
そういってなみなみと注がれたワインを一気に飲み干す。満足そうに息を吐いたかと思えば、間を空けず二杯目をグラスに注ぐ。
それを見ていた男は、整備の終わった銃をガンケースにしまい、自分のグラスにワインを注ぎだした。
「お、君もやるかい」
「当たり前だ。僕も金を払っているんだからな」
既に三杯目となったグラスの男が、にやけた顔でグラスを目の前に掲げた。それに応え、もう一人も同じようにする。
ちん、というガラスが触れる音が静かな室内に響いた。
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しばらくして、一人がううと呻きながら上体を起こす。どうやら酔いつぶれて寝てしまったようだ。彼は目の前でグラスを持ったまま眠る男を一瞥すると、換気をするために窓に近寄る。外を見ると、黒い木々が星空と山とを隔てるのが見え、視線を下に向けると白熊犬が体を丸めて眠っていた。
ぼんやりとそれを眺めつつ、彼は窓を開けた。
風は、吹いていなかった。
注文の多い料理店を読んで疑問に思ったことといえば、何故西洋料理店の形で人を食べようとしたか、である。察するに彼らは山猫の妖怪らしいのだが、人を食べるのなら後ろから不意打ちでも喰らわせてさっさと喰ってしまえばいいのに、と思った。
ここからは推論だが、恐らく山猫の親分が人に化けるかして人里に下り、人の文化に感化されて思い付いたのだろうと私は考えている。その時親分は効率の良い獲物の採り方を考えている最中で、その一環として人里に下りた結果、「料理店」を装って獲物を惹きつけようなどと考えたのだろう。宮沢賢治のユニークな発想力が垣間見られるが、作中の山猫の思考として考えると、これまた妙なことを思い付いた物だと驚かされる。
そして、冒頭から出て来ていた二人の若者が記念すべき第一号の「お客様」なわけだが、彼らは山猫の用意した罠に呆れるほどよく引っ掛かった。大体、初めに「注文が多いこと」を断っている時点で、山猫の自信のなさがうかがえる。そんな物に引っ掛かる人間を目当てにしていたのか、はたまた妖怪から見ると人間は皆間抜けに写っているのか。
それはともかく、このアイデアは突飛なようで、一部理にかなってもいる。山猫にとって驚異となるであろう銃器や、武器になりうる貴金属類を自然に外させるあたりは、利口を通り越して狡猾でさえある。だがそこから先は問題だ。よせばいいのにクリームを塗らせたり酢をかけさせたり、塩を揉み込ませたり等するから感づかれるのだ。「折角だから味付けを」と欲を出したのだろうが、時にはイノシシでさえも狩ってしまうハンターの山猫らしからぬ行動である。
料理店に見せかけた罠というのは一見よくできているようだが、実際のところ欠点が多かった。何故こんな回りくどいことをしたのか。それはやはり、山猫の新しい物好きが発揮されたのだろう。
ここからは推論だが、恐らく山猫の親分が人に化けるかして人里に下り、人の文化に感化されて思い付いたのだろうと私は考えている。その時親分は効率の良い獲物の採り方を考えている最中で、その一環として人里に下りた結果、「料理店」を装って獲物を惹きつけようなどと考えたのだろう。宮沢賢治のユニークな発想力が垣間見られるが、作中の山猫の思考として考えると、これまた妙なことを思い付いた物だと驚かされる。
そして、冒頭から出て来ていた二人の若者が記念すべき第一号の「お客様」なわけだが、彼らは山猫の用意した罠に呆れるほどよく引っ掛かった。大体、初めに「注文が多いこと」を断っている時点で、山猫の自信のなさがうかがえる。そんな物に引っ掛かる人間を目当てにしていたのか、はたまた妖怪から見ると人間は皆間抜けに写っているのか。
それはともかく、このアイデアは突飛なようで、一部理にかなってもいる。山猫にとって驚異となるであろう銃器や、武器になりうる貴金属類を自然に外させるあたりは、利口を通り越して狡猾でさえある。だがそこから先は問題だ。よせばいいのにクリームを塗らせたり酢をかけさせたり、塩を揉み込ませたり等するから感づかれるのだ。「折角だから味付けを」と欲を出したのだろうが、時にはイノシシでさえも狩ってしまうハンターの山猫らしからぬ行動である。
料理店に見せかけた罠というのは一見よくできているようだが、実際のところ欠点が多かった。何故こんな回りくどいことをしたのか。それはやはり、山猫の新しい物好きが発揮されたのだろう。
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